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PFAS規制とは?水道水への影響と2026年義務化を徹底解説

COLUMN

2025.12.09

PFAS規制とは?水道水への影響と2026年義務化を徹底解説

PFAS規制とは、環境や人体への影響が懸念される「PFAS(ペルフルオロアルキル物質)」の使用・排出を制限・管理するための法律や基準のことです。

特に水道水へのPFAS混入は健康リスクとして注目されており、国内外で規制強化が進んでいます。

2026年には日本でもPFASに関する新たな規制が義務化され、水質基準の設定や監視体制の強化が求められるため、その影響や対策を理解しておくことが重要です。

本記事ではPFAS規制の背景から水道水への影響、そして2026年義務化の詳細まで徹底解説します。ください。

1.PFAS規制とは?2024年から注目される新しい水質基準

近年、環境や健康への影響が懸念されるPFAS(有害な化学物質)の規制が世界的に強化されています。

日本でも2024年から新たな水質基準が注目され、水道水中のPFAS濃度管理が一層厳しくなる見込みです。

具体的に、PFAS規制とはどのようなものか詳しく解説します。

1-1.PFASとは?暮らしに潜む「永遠の化学物質」

PFAS(ペルフルオロアルキル物質)は、水や油をはじく性質を持つため、防汚・防水加工に幅広く使われてきました。

調理器具や食品包装、衣類、さらには消火剤にも含まれていることがあります。

その特徴から「永遠の化学物質」と呼ばれ、環境中で分解されにくく、長期間にわたり残留し続ける点が問題視されているようです。

私たちの暮らしの身近にあるため、知らず知らずのうちに体内に蓄積される可能性もあります。

だからこそ、PFASの存在や性質を理解し、どのように影響があるのか知ることが重要です。

1-2.なぜ今、PFASの規制が必要なのか?世界で明らかになった健康リスク

PFASは長年「安全」とされてきましたが、近年の研究で発がん性や免疫機能の低下、ホルモン異常などさまざまな健康リスクが指摘されています。

特に水道水や食品を通じて体内に入りやすく、累積的に影響を与える恐れがあることがわかってきました。

こうした科学的知見の蓄積を受け、世界各国は規制強化に動いています。

日本でも国内の水質調査で検出例が増加し、生活者の健康を守るために早急な対応が求められているのです。

1-3.日本のPFAS規制の流れ。環境省・厚生労働省が定めた暫定目標値

日本では、PFOSはすでにPOPs条約により製造・使用が制限されています。

2009年の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令(化審法施行令)」改正によって第一種特定化学物質に指定され、不可欠用途を除き製造・使用が原則禁止となりました。

その後の規制強化により、2017年には例外用途も含め、日本国内ではPFOSの全用途が禁止されています。

さらにPFOAについても、2021年の化審法施行令改正によりPFOSと同様に全面禁止となりました。

水質面では、厚生労働省がPFOS・PFOAを水質管理目標設定項目に位置付け、水道水中の合算値を1リットルあたり50ナノグラム以下とする暫定目標値が設定されています。

基準を超えた場合は水道事業者による濃度低減措置が求められているようです。

環境省もこれに合わせ、公共用水域や地下水に同じ基準の暫定目標値を定めています。

しかし近年、一部地域の河川でこの暫定目標値を超える濃度が確認され、追加調査や調査範囲の拡大が検討されるなど、状況はより深刻化しているようです。

こうした背景を受け、2024年5月には環境省と国土交通省が自治体や水道事業者に対し、2024年9月30日までに水質検査結果の報告を求める通知を出すなど、対策の強化が進められています。

1-4.アメリカ・EUと日本のPFAS規制の比較

POPs条約を批准している日本やEUなど、約180か国・地域では、現在PFOSが「製造・使用の制限」、PFOAが「製造・使用の禁止」の対象とされています。

さらに多くの国では、飲料水中のPFAS濃度について個別の基準値を設け始めているようです。

たとえばイギリスでは1リットルあたり100ナノグラム以下と規定しています。

ドイツでは2023年の飲料水令に基づき、PFAS20種類の合計で100ナノグラム、主要4種類の合計で20ナノグラムという2段階の基準が設定されることが決定されているようです。

アメリカでは2024年4月、PFOS・PFOAに関する初の国家飲料水基準が最終決定され、1リットルあたり4ナノグラム以下という非常に厳しい値を採用しました。

日本の暫定目標値(PFOSとPFOAの合算で1リットルあたり50ナノグラム)と比べても、はるかに厳格な水準です。

また、WHOも2022年9月に公表したガイドライン作成の背景文書で、1リットルあたり100ナノグラム以下を提案しており、国際的にもPFAS規制をより強化する動きが広がると見込まれます。

2.日本の水道水は安全?PFASの検出状況と家庭への影響

日本の水道水は基本的に安全とされていますが、近年は一部地域でPFASが基準を超えて検出され、家庭への影響が注目されています。

PFASは健康リスクが懸念されるため、水質調査や規制強化が進行中です。

過去の検出事例や自治体の対応を踏まえ、私たちの暮らしにどんな影響があるのか、知っておくことが大切になります。

2-1.日本全国のPFAS検出状況。環境省調査データから見る実態

日本全国の河川や地下水を対象にした 環境省 の令和5年度版調査データを見ると、PFAS(特にPFOS・PFOA)が国の暫定指針値(合算50ng/L)を超える地点が22都府県・242地点 にのぼることが明らかになりました。

この数は前年度(令和4年度:111地点)から大きく増加しており、指針値を超過した水が飲用水に供される可能性のある地点についても、都道府県が所有者などへの指導・助言を進めています。

以下では、環境省が都道府県や水域別に整理した全国におけるPFAS汚染の実態がまとめられているので、併せて参考にしてください。

引用元:環境省 令和5年度公共用水域水質測定結果及び地下水質測定結果について から抜粋

2-2.PFAS基準値を超えた地域はどこ?

PFASの基準値を超えた観測地点は全国に広がっていますが、特に濃度超過が多かったのは 静岡県(51地点) を筆頭に、東京都(42地点)、沖縄県(33地点) と続きます。

都市部や基地周辺、工業エリアを抱える地域で多く確認されている点が特徴です。

また、大阪府・広島県(各26地点) といった人口密集地や工業地帯でも多数の超過が確認され、宮崎県(14地点)、兵庫県(11地点)、京都府(8地点)、奈良県・神奈川県(各5地点) など、地方にも広く分布しています。

このように、特定の地域だけでなく全国的にPFAS汚染が見られる状況であり、河川・地下水の用途や周辺の産業活動によって濃度が左右されるケースが多いと考えられます。

基準値を超過した地域では、自治体による追加調査や水質対策が進められており、今後も状況の注視が必要です。

2-3.水道水のPFAS暫定目標値「50ng/L」とは?

水道水のPFAS暫定目標値「50ng/L」とは、PFOSとPFOAの合計濃度が1リットルあたり50ナノグラム以下であることを求める基準です。

これは厚生労働省と環境省が、現時点で得られている科学的知見にもとづき「健康への影響を避けるため、最低限守るべき指標」として設定されています。

あくまで「暫定」であり、今後の研究や国際基準の動向によって見直される可能性があるでしょう。

PFASは微量でも体内に蓄積しやすい性質があるため、長期的な摂取による身体への影響が懸念されます。

そこで自治体の水道事業者は、この暫定目標値を超えた場合に取水地点の変更、活性炭処理の強化、汚染源調査など、濃度を下げるための措置を講じる仕組みになっています。

50ng/Lという値は、国際的に見ると“中間レベル”の厳しさです。アメリカの4ng/Lという非常に厳しい基準に比べると緩やかですが、WHOが示す100ng/Lよりは低い数値です。

つまり日本の暫定目標値は、安全を確保しつつ現実的に管理可能なラインとして設定されたものだといえます。

2-4.PFASが健康に与える影響

PFASが問題視されている理由は、体内に蓄積しやすく、分解されにくい性質によって 長期的な健康リスク を引き起こす可能性が指摘されているためです。

海外では大規模な疫学研究が進み、いくつかの健康影響との関連が報告されています。

代表的なものとして、肝機能の異常、脂質(コレステロール)代謝の乱れ、免疫機能の低下、妊娠・胎児への影響などです。

特に免疫機能への影響については、ワクチン接種後の抗体反応が弱まる可能性が示され、子どもほど影響を受けやすいことが懸念されています。

また、PFASの一部は がん(腎臓がん、精巣がんなど)との関連を示す研究結果もあり、国際的に厳しい規制が進む大きな理由となっています。

ただし、これらの研究は「高い暴露量のケースを調べたもの」も多く、一般家庭の水道水レベルでどれほど影響があるかは引き続き調査が進められている段階です。

いずれにしても、PFASは“少しずつ蓄積する”点が最大のリスクであり、長期間にわたる曝露を避けることが、健康を守るうえで重要とされています。

2-5.自宅の水道水を確認する方法。自治体のPFAS検査結果をチェック

自宅の水道水にPFASが含まれているかを知る最も確実な方法は、自治体や水道事業者が公表している水質検査結果を確認するといった方法があります。

多くの自治体では、水道局の公式サイトに「水質検査結果」「水質管理計画」「PFOS・PFOA検査結果」などの名称で最新データを掲載しているようです。

まずは「〇〇市 水道 PFAS」「〇〇県 水質検査」と検索すれば、多くの場合、該当ページへすぐアクセスできます。

掲載されている結果には、PFOS・PFOAの測定値が記載され、国が定める暫定目標値(50ng/L)を下回っているかどうか確認可能です。

自治体によっては、取水地点ごとの数値や年度別の推移を公開している場合もあり、自宅地域の状況をより詳しく把握できます。

もし自治体で未実施だった場合は、水道局へ問い合わせることで最新の検査予定や今後の方針を教えてもらえるでしょう。

また、自費での水質検査サービスも存在しますが、金額は高めなので、まずは自治体のデータを確認することをおすすめします。

3.PFAS規制強化で私たちの生活はどう変わる?今できる対策

PFAS規制の強化は、水道水や日用品の安全性を高める大きな一歩ですが、私たちの暮らしにもいくつかの変化をもたらします。

特に水道水の管理体制が厳しくなることで、自治体の対応や家庭での対策がより重要です。

ここでは、規制強化の影響と、今すぐ家庭でできる対策をわかりやすく紹介します。

3-1.【PFAS】2026年度から水質検査が義務化

PFAS(ペルフルオロアルキル物質)に関する規制強化の一環として、2026年度から日本で水質検査の義務化が開始されます。

これは、PFASが環境中に長期間残留しやすく、人体への健康リスクが懸念されていることを背景に、飲料水の安全確保を目的として導入される重要な措置です。

具体的には、水道事業者に対して水道水中のPFAS濃度を定期的に検査し、その結果を報告する義務が課されます。

検査対象はPFOSやPFOAをはじめとした主要なPFAS化合物で、厚生労働省が定めた暫定目標値(合算で1リットルあたり50ナノグラム以下)を基準に管理されます。

この基準を超えた場合、水道事業者は速やかに原因調査や除去対策を実施し、住民への情報提供や安全確保に努めなければなりません。

義務化によって、水道水の安全性に対する透明性が向上し、PFAS汚染の早期発見と迅速な対応が可能です。

また、自治体や関係機関は水質検査データを基にした科学的根拠に基づく政策立案や環境管理を強化できるため、地域住民の健康リスクを抑制する効果も期待されています。

ただし、PFASは従来の水処理技術では除去が難しいため、新たな浄水設備の導入や運用コストの増加といった課題も伴うでしょう。

これらのコストは水道料金に反映される可能性があり、利用者への負担増も懸念されています。

そのため、国や自治体は技術開発支援や補助金制度の整備を進め、負担軽減に努めているのが現状です。

2026年度からのPFAS水質検査義務化は、飲料水の安全性向上に向けた大きな一歩となるでしょう。

3-2.水道事業者が進めるPFAS除去対策

水道事業者が進めるPFAS除去対策は、これまでの水質管理よりも一段高いレベルの精度が求められるため、複数の手法を組み合わせながら進められています。

最も一般的なのは 「活性炭処理(粒状活性炭:GAC)」 の強化です。

活性炭はPFASを吸着する効果があり、既存の浄水施設にも導入しやすい方法として全国で広く採用されています。

ただし、飽和すると吸着性能が落ちるため、定期的な交換や再生処理が不可欠で、交換頻度の見直しを進めている自治体も増えているようです。

近年は、より高いPFAS除去効果を持つ 「粉末活性炭(PAC)」 の追加投入や、「イオン交換樹脂」 の活用も検討されています。

特にイオン交換樹脂はPFOS・PFOAの除去性能が高く、アメリカでは主流の技術です。

日本でも水源汚染が深刻な地域を中心に導入の検証が進んでおり、将来的には普及が進む可能性があります。

さらに、PFASへの対策として、高性能膜(RO膜=逆浸透膜)ろ過 の導入を進める事業者も出てきています。

RO膜は除去率が非常に高い一方、コストやエネルギー消費が大きいため、全域での採用ではなく、局所的な利用や高度浄水の一部として検討されるケースが多いです。

また、水道事業者の対策は浄水処理だけにとどまりません。取水地点の汚染が疑われる場合には、取水源の変更 や 地下水の揚水停止、複数水源のブレンド をおこない、濃度を下げる工夫もなされています。

さらに、PFASの発生源が疑われる工場や施設がある場合には、自治体と連携して調査を実施し、排水規制の強化や改善指導につなげることも重要な取り組みです。

こうした多層的な対策により、水道水のPFAS濃度は全国的に低減が進んでいます。

しかし、施設の更新費用や運用負担が増えることから、国の補助制度や広域連携の強化も課題となっています。

PFAS規制の本格化に向けて、多くの水道事業者が技術強化と管理体制の見直しを進めている段階です。

3-3.PFAS除去費用の水道料金への影響は?

PFAS(パーフルオロアルキル物質)はその安定した化学構造から水中に残留しやすく、従来の水処理設備では除去が難しいため、専用の除去対策が必要となります。

これに伴い、水道事業者は新たな浄水技術の導入や設備更新を進めていますが、これらの対策には多額の費用がかかることが避けられません。

具体的には、PFAS除去には活性炭吸着や膜ろ過(逆浸透膜など)、イオン交換樹脂などの高度な処理技術が用いられます。

これらの設備導入には初期投資が大きく、運用・維持管理にも専門的な知識やコストが必要です。

また、処理水の安定供給を維持するための人員配置やモニタリングも増加します。

これらの費用負担は基本的に水道事業者が負うものの、最終的には利用者の水道料金に反映されるのが一般的です。

特に地方自治体では小規模な水道事業者が多く、費用負担が相対的に大きくなるため、料金の引き上げ圧力が強まる傾向にあります。

ただし、PFAS除去のための料金改定は自治体の審議会や公聴会などで慎重に検討され、消費者への説明責任が求められるでしょう。

また、国や地方自治体からの補助金・支援制度が活用されるケースも増え、負担軽減の動きも見られます。

今後は技術の進展や規模の経済により除去コストが低減される可能性もありますが、当面はPFAS対応による水道料金の影響は避けられない現実として、利用者も理解と協力が求められる状況です。

4.まとめ

PFAS規制は、環境や人体への影響が懸念される化学物質PFASの使用・排出を制限し、安全な水道水の提供を目指す取り組みです。

特に2026年からは日本でも水質基準の義務化が進み、自治体や水道事業者による厳格な管理・検査が求められます。

世界的にも規制が強化されており、日本も国際的な動きに合わせて対策を加速中です。

私たちの健康を守るために、最新の情報と適切な対策を理解し、安心して水を使える環境づくりがますます重要となっています。

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