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PFAS(有機フッ素化合物)とは?健康への影響と自宅で可能な対策も解説!

COLUMN

2025.10.24

PFAS(有機フッ素化合物)とは?健康への影響と自宅で可能な対策も解説!

PFAS(有機フッ素化合物)は、撥水性や耐熱性に優れ、食品包装や調理器具など幅広く利用されてきた化学物質です。

しかし「永遠の化学物質」と呼ばれるほど分解されにくく、環境や人体に残留し、健康への影響が懸念されています。

本記事では、PFASの基礎知識やリスク、自宅でできる具体的な対策についてわかりやすく解説していくので、参考にしてみてください。

1.PFASとは?基本知識と健康への影響

PFAS(有機フッ素化合物・ピーファス)は、近年特に関心が高まっている化学物質です。
自然環境中でほとんど分解されない性質を持ち、人体への悪影響が懸念されているため、注目を集めています。

本項目では、PFASの基礎知識と健康リスクについてわかりやすく解説していくので、参考にしてみてください。

1-1.PFASの正式名称と特徴    

PFASとはペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略称で、日本では「有機フッ素化合物」と呼ばれています。

現在確認されているだけでも4,700種類以上の物質が存在するといわれているようです。

これらの物質は、以下のような特性を持つため、工業製品や日用品に幅広く利用されてきました。

こうした特性により、日常生活で身近な製品にも使われています。

1-2.PFASが使われている身近な製品    

PFASはその撥水性や撥油性、耐熱性などの性質から、私たちの身近な製品に幅広く使われてきました。
調理器具ではフライパンの焦げ付き防止コーティングに利用され、少ない油で調理できるため便利です。
食品包装にも多く用いられ、ピザボックスやポップコーン袋などでは水分や油の染み出しを防いでいます。

さらに、アウトドアウェアや傘、カーペットなどの撥水加工、空港や工場で使われる泡消火剤、そして化粧品のファンデーションやマスカラなどにも配合されてきました。

1-3.なぜ今PFASが問題視されているのか

PFASが問題視されているのは、自然環境でほとんど分解されず「永遠の化学物質」と呼ばれるほど残留性が高いためです。

水や土壌に広がると汚染が長期化し、人体に取り込まれると蓄積してがんや肝機能障害、免疫力低下、ホルモンバランスへの影響などが懸念されています。

生活用品や消火剤などに広く使われてきたことから曝露リスクが高く、各国で規制や調査が進められているのが現状です。

2.PFASによる健康被害とそのリスク

PFAS(有機フッ素化合物)は便利な性質からさまざまな製品に使われてきましたが、近年は人体への悪影響が懸念されています。

体内に蓄積しやすく、長期的な曝露(ばくろ)によってがんや肝機能障害、免疫力の低下、ホルモンや発達への影響など、健康被害につながる可能性が指摘されているようです。

ここではPFASがもたらすリスクについて解説します。

2-1.科学的に証明されている健康影響    

PFASは、科学的研究によりいくつかの健康影響と関連があることが確認されています。

特に腎臓がんや精巣がんなど一部のがんリスクが高まることが疫学調査で示されており、肝機能への影響として肝酵素の上昇や脂質代謝異常も報告されているようです。

さらに、免疫系への影響では、子どものワクチン接種による抗体反応が低下することが確認され、免疫力の低下につながる可能性があります。

また、コレステロール値の上昇との関連も認められ、心血管疾患リスクの増加に注意が必要です。

これらの結果から、PFASは人体に蓄積するとさまざまな健康リスクをもたらすことが科学的に示されています。

2-2.子供や妊婦への特別なリスク    

PFASは子どもや妊婦にとって特に注意が必要な化学物質とされています。
妊婦がPFASに曝露されると、胎盤を通じて胎児にも移行し、発育や成長に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

具体的には、低出生体重や早産、胎児の発達異常への影響が懸念されるようです。

また、子ども自身がPFASに曝露されると、免疫機能への影響が懸念されます。

研究では、ワクチン接種に対する抗体反応が低下する可能性が示されており、感染症への抵抗力が弱まるおそれがあるでしょう。

さらに、PFASは成長期のホルモンバランスにも影響を与えることがあり、脂質代謝や腎機能、甲状腺ホルモンの変化といった健康リスクが指摘されています。

このように、妊婦や子どもはPFASの影響を受けやすいため、日常生活での曝露をできるだけ減らす対策が重要です。

2-3.長期間PFASを摂取する危険性

PFASは体内に蓄積されやすく、長期間にわたって摂取すると健康へのリスクが高まることが科学的に示されています。
長期曝露は発がんリスクにも関与するとされ、腎臓がんや精巣がんの発症率が高まる可能性があるでしょう。

妊婦や子どもへの影響も大きく、胎児の発育異常や低出生体重、子どもの免疫力低下やホルモンバランスの乱れが指摘されています。

このように、PFASは短期間では目立った影響がなくても、体内に蓄積して長期間摂取を続ければ健康リスクが高まる可能性があるので注意が必要です。

3.あなたの地域は大丈夫?日本の水道水PFAS事情

近年、PFASの環境汚染が世界的に問題となる中、日本の水道水におけるPFASの存在も注目されています。
PFASは分解されにくく、長期間水源に残留する性質があるため、飲料水を通じて人体に取り込まれる可能性があるでしょう。

各自治体では水道水中のPFAS濃度を調査・管理する動きが進んでおり、安全性の確保と曝露リスクの低減を課題として掲げています。

ここでは、日本の水道水におけるPFASの現状とそのリスクについて解説していくので、参考にしてみてください。

3-1.日本全国のPFAS検出状況マップ    

2024年に調査された、日本全国のPFAS検出状況では下記の表のような結果が出ています。

都道府県事業名値(ng/L)
愛知岩倉市水道事業49
長崎新上五島町水道事業48
北海道むかわ町穂別簡易水道事業47
兵庫田井簡易水道組合44
京都精華町水道事業39
秋田由利本荘市水道事業38
兵庫西脇市38
熊本産山村簡易水道38
埼玉富士見市水道事業36
長崎大村市水道事業36
兵庫宝塚市上下水道局34
兵庫豊岡市水道事業33
山形東根市水道事業32
埼玉志木市水道事業31
愛知一宮市水道事業31
宮崎小林市水道事業31
茨城行方市水道事業30
長崎諫早市上下水道事業30
愛知丹羽広域事務組合水道事業29
京都笠置町東部簡易水道事業29

地域によって、検出されているPFASの含有量が異なります。
水道水に含まれている含有量が気になる人は、浄水器を利用するなどして対策していきましょう。

3-2.水道水の安全基準とPFASの規制値について   

日本の水道水におけるPFASの安全基準は、2024年時点で1リットルあたり50ナノグラム以下と定められています。

しかし、これは欧米諸国の基準と比べると緩やかで、アメリカでは4ナノグラム以下、カナダでも30ナノグラム以下が許容量とされているようです。
最新の調査では、日本の水道水で基準値を超えた自治体はありません。

しかし、PFASは地下水や工業排水などさまざまな経路で水源に入り込みやすく、汚染源の特定が難しいです。
欧米の厳しい基準と比較すると、日本の規制値はまだ高く、さらなる見直しが求められます。

4.家庭でできるPFAS対策について

PFAS(有機フッ素化合物)は自然分解されにくく、体内や環境に長く残留するため、日常生活での対策が重要です。

まず飲料水対策として、家庭用浄水器の中でも「活性炭フィルター」や「逆浸透膜(RO膜)」を採用したものが有効とされています。
水道水をそのまま飲むのではなく、浄水を利用する習慣をつけると安心です。

また、テフロン加工などのフッ素樹脂製調理器具は、劣化や高温加熱でPFASが溶出する可能性があるため、ステンレスや鉄、セラミック製の調理器具に切り替えるのがよいでしょう。

さらに、撥水加工された食品包装紙やファストフードの容器、撥水スプレー製品の使用をできるだけ控えることも有効です。

これらの工夫を日常に取り入れることで、家庭でもPFASの曝露を減らせます。

4-1.日常生活のPFAS対策。注意点とコツ 

PFAS(有機フッ素化合物)は「永遠の化学物質」とも呼ばれ、環境中で分解されにくく、体内にも蓄積されやすい性質を持っています。

そのため、普段の生活においてできるだけ接触や摂取を減らす工夫が大切です。

水道水には地域によって濃度の差があり、日本では欧米と比べ規制が緩いため、より慎重な対応が求められます。
ペットボトル水を選ぶ場合も、製造元の水源情報を確認して安全性を意識して選びましょう。

次に調理器具や日用品です。
焦げつき防止のために使われるフッ素樹脂加工のフライパンや鍋は便利ですが、傷や劣化でPFASが溶出するリスクがあると指摘されています。
代わりにステンレス、鉄、セラミック製の調理器具を使うと安心です。

また、使い捨ての食品包装紙やファストフードの紙容器にもはっ水加工としてPFASが用いられることがあるため、過剰に利用しないようにしましょう。

衣類やインテリア用品に使われるはっ水スプレー、防汚加工品も注意が必要です。

子どもが触れるカーペットやソファには、フッ素加工の少ないものを選ぶとよいでしょう。

さらに化粧品やスキンケア用品にもPFASが含まれる場合があり、成分表示を確認してできるだけ避ける姿勢が有効です。

こうした対策は一度にすべて切り替えるのは難しいため、まずは「毎日摂取する水」や「調理に使う器具」といった影響の大きい部分から改善していきましょう。

注意点としては、PFASを完全に排除することはほぼ不可能であるため、神経質になりすぎず、リスクを下げる行動を積み重ねることが重要です。

たとえば、浄水器のフィルター交換を怠らない、調理器具の買い替え時期を意識する、撥水加工品の購入時に成分を確認する、といった日常の小さな工夫の積み重ねが、長期的に健康リスクを減らすことにつながります。

5.PFASについてのよくあるご質問

PFAS(有機フッ素化合物)は、私たちの生活に身近な製品に広く使われてきた一方で、環境や健康への影響が懸念される物質です。

ニュースや報道で耳にする機会が増え、「水道水に含まれているの?」「どんな製品に使われているの?」「家庭でできる対策はあるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

ここでは、PFASに関するよくあるご質問を取り上げ、基礎知識から日常生活で注意すべきポイントまでわかりやすく解説します。

5-1.浄水器でPFASは除去されますか?

浄水器を使うことでPFASをある程度除去することは可能です。
ただし、すべての浄水器が有効というわけではありません。

一般的な活性炭フィルターを搭載した浄水器でも一部のPFASを吸着できますが、十分に除去できないケースもあります。

より高い効果を期待できるのは、逆浸透膜(RO膜)方式を採用した浄水器です。
RO膜は非常に細かいフィルターで、水分子以外の多くの不純物を取り除くため、PFASの除去率も高いとされています。

定期的なフィルター交換を怠ると除去効果が落ちるため、説明書にしたがったメンテナンスをおこなっていきましょう。

 5-2.活性炭フィルターでPFASは除去できますか?

活性炭フィルターでもPFASをある程度除去することは可能です。
活性炭には多孔質の構造があり、PFASを吸着して水から取り除く効果が期待できます。
ただし、その効果はPFASの種類や濃度、そしてフィルターの性能によって異なるので注意が必要です。

また、使用を続けると吸着力が低下するため、定期的なフィルター交換が欠かせません。

活性炭フィルターは「部分的な対策」として有効ですが、PFASを確実に減らしたい場合は性能や交換頻度を確認し、適切に利用してください。

5-3.一度体内に入ったPFASはどのくらいで排出されますか?

排出速度は物質の種類によって異なり、血中の半減期(体内濃度が半分に減るまでの期間)は数年から十年以上とされています。
短期間で完全に排出するのは難しく、日常生活で新たに取り込む量をできるだけ減らすことが重要です。

具体的には、PFASを含む可能性のある水道水や調理器具、食品包装材などへの接触を控えることが現実的な対策となります。

予防的に曝露を減らす行動を積み重ねることが健康を守るうえで大切です。

6.まとめ

PFAS(有機フッ素化合物)は便利な性質を持つ一方で、環境中で分解されにくく、体内にも長く残留することから健康リスクが懸念されています。
飲料水や日用品を通じて日常的に接触する可能性があるため、正しい知識と対策が欠かせません。

自宅でできる工夫としては、活性炭や逆浸透膜(RO膜)を搭載した浄水器の使用、フッ素樹脂加工されていない調理器具の利用、撥水加工品や一部の包装材をできるだけ避けることなどが挙げられます。

PFASを完全に排除することは難しいものの、こうした身近な工夫を積み重ねることで曝露を減らし、安心につなげることが可能です。

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